デジタルサイネージを活用して地域とのコミュニケーションを深める
フローラ薬局は、患者さんだけでなく地域の人に親しまれる店づくりに力をいれています。デジタルサイネージ(電子看板)を活用し、残薬を減らす取り組みや学生の協力を得たユニークな啓蒙活動も計画しています。
有限会社ヴェルーガが経営するフローラ薬局は、千葉県柏駅からほど近いところにあるスポーツクラブの1階にあります。同じビル内にある整形外科をはじめ、近隣には総合病院もふくめて多数の医療機関がり、処方箋の診療科も患者年齢も幅広く扱っています。月・火・木・金は夜8時まで営業しているため、都心部の医療機関の処方箋をお持ちになる方もいらっしゃいます。薬剤師、事務員で対応しています。
ヴェルーガの代表取締役で管理薬剤師の坂尾孝はもともと病院勤務の薬剤師でしたが、大手チェーン薬局勤務を経て、2001年にフローラ薬局を開局しました。
フローラ薬局は、開局時の内装工事の際に2つのコンセプトを決めました。1つは待合室の壁面を地域の人に使っていただくこと。現在、写真、絵画、短歌、俳句が飾られています。患者さんの作品もありますし、患者さんの友人の作品もあります。地域の方に待合室をギャラリーとして使っていただくことで、用事のあるなしに関わらず、フローラ薬局に足を運んでいただきたいと考えています。
もう1つのコンセプトは鏡の活用です。フローラ薬局に入ると、鏡張りのようになっていて全身が映し出されます。日常生活の中で全身を鏡で見る機会は意外にありません。でも自分の姿を鏡で見ると、腰が曲がっているなとか、肥っているなとか、医師から指摘されたことがわかり、治療の動機づけへとつながる場合もあります。
フローラ薬局で今新しく取り組んでいるのが、デジタルサイネージの活用です。
かねてから、残薬の啓蒙活動をしたいと考えており、患者さんに使わなかった薬を持って来ていただき、当方でレポートを書いて医療機関に提出することで、残薬を減らせるのではないか、こうした活動に適したツールと考え、デジタルサイネージを採用しました。
また、近隣の総合学園ヒューマンアカデミー柏校に声をかけ、マンガを学ぶ学生たちに、食中毒、熱中症など季節の話題を盛り込んだ4コマ漫画を制作していただき、デジタルサイネージで紹介することにしました。学務責任者の方も「地域密着で起業課題に挑戦していく、という私たちに方針に合致しました」と喜んでくださっています。
通りがかった人に、「これはなんだろう?」と」興味を持っていただき、地域のことや趣味の話題に花が咲く中、たまたまそこに薬剤師がいて、相談したい時に相談できる環境を作りたいと考えます。